抄録
生田原南地すべり地域の古期大規模地すべりとその脚部の生田原南地すべり防止区域における古期中規模および最近の小規模地すべりは, 基岩地質による分類では, 熱水変質帯地すべり, また, 移動体構成物質による分類では, それぞれ熱水変質岩地すべりと, 岩屑地すべりまたは土砂地すべりである。古期大規模地すべりは, 主に北ノ王化石熱水系前期ステージ広域変質帯のスメクタイト-アナルサイト亜帯と同前期ステージ脈際中性帯のイライト-イライト/スメクタイト混合層鉱物亜帯からなる熱水性粘土化帯で発生している。一方, 生田原南地すべり防止区域の中規模および小規模地すべりは, 前期ステージ広域変質帯のスメクタイト-クリノタイロライト亜帯と, 前期ステージ脈際中性帯のカリ長石帯, イライト帯およびイライト/スメクタイト混合層鉱物帯で発生しているが, カリ長石帯やイライト帯においてもイライト/スメクタイト混合層鉱物やスメクタイトを特徴的に含む。したがって, 熱水変質帯地すべりの発生は, 規模の大小を問わず, 膨潤性粘土鉱物を含む熱水変質帯と密接な関係を持つ。