日本地すべり学会誌
Online ISSN : 1882-0034
Print ISSN : 1348-3986
ISSN-L : 1348-3986
論文
平成23年台風12号における崩壊・非崩壊地に関する地形的特徴の検証
菊地 輝行秦野 輝儀西山 哲
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 56 巻 4 号 p. 141-152

詳細
抄録

 2011年台風12号によって日本の紀伊山地において斜面災害が発生した。この災害における崩壊38箇所, 非崩壊地63箇所について崩壊前後の微地形判読を行い, 崩壊の指標となる項目について検討した。その結果, 崩壊地は, 地すべりとして典型的に認められる滑落崖, ガリー地形, 側方崖の有無よりも, 不規則凹凸, 末端崩壊が高確率で認められた。地すべりの初生変動以前の重力性クリープを示すこのような地形の組み合わせは, 地すべり発達過程において初生変動前の重力変形である漸移期に相当し, 微地形の出現程度により2つの時期に区分することができた。これらの知見は特定の気象条件, 地形・地質構造に限定されるものの, 高精度DEMデータが整備される中で斜面災害の予察に有効であると考える。

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本地すべり学会
次の記事
feedback
Top