日本補綴歯科学会誌
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認定医症例報告
義歯安定剤を長期間使用していた義歯装着患者の補綴治療
鎌田 奈都子
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2010 年 2 巻 1 号 p. 36-39

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抄録
症例の概要:66歳,女性.入れ歯が動き,よく咬めないと訴え来院.上顎は無歯顎,下顎は挺出した犬歯と残根状前歯が残存しており,上顎義歯には義歯安定剤が積層されていた.診察の結果,挺出歯による上顎義歯の動揺に起因する咀嚼障害と診断した.前歯部の咬合接触を回避した上顎全部床義歯と下顎オーバーデンチャーを装着した.治療効果を評価するため摂食可能食品アンケートを行った.
考察:下顎犬歯の突き上げによる上顎義歯の維持安定不良に対し,誤った義歯安定剤の長期使用のため咀嚼障害が生じたものと考えられた.
結論:適切な義歯床形態,咬合高径と下顎位,ならびに人工歯排列と臼歯部咬合接触の付与により義歯の維持安定が得られた.
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© 2010 社団法人日本補綴歯科学会
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