2019 年 56 巻 Special_Issue 号 p. 227-239
近年, 気象レーダー等から推定される雨量強度の空間分布のデジタル情報を使うことが容易となり, 例えば, FEMに基づく飽和-不飽和浸透流解析のような高精度解析技術を用いることで, 短時間の集中豪雨による斜面内の地下水位上昇の様子を再現することが可能となっている。しかしながら, こうした数値解析には, 高性能計算機と長時間演算が必要となることが多く, 解析雨量に基づくリアルタイムの早期警戒判断などにその解析結果を利用したい技術者にとっては制約も大きい。そこで本研究では, 斜面内の浅層地下水の水位上昇の時刻歴を予測するための簡易な計算方法を, 半無限斜面仮定の下で実施した一連の有限要素解析のパラメトリック・スタディの結果に基づいて開発した。将来, 本手法で予測された地下水位と斜面材料のせん断強度に基づいて, 時々刻々と変化する表層崩壊に対する安全率の低下をリアルタイムで評価することが可能となる。