ウイルス
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ヘルペス脳炎を司る新規内因性免疫回避機構の解明
加藤 哲久川口 寧
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2025 年 75 巻 2 号 p. 153-158

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抄録
ヘルペスウイルスは,宿主と洗練されたバランスを確立しているが,単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)が引き起こすヘルペス脳炎は,例外的に致死的な疾患である.すなわち,HSV-1は中枢神経系組織(CNS)において宿主免疫応答を効率的に回避していると考えられる.最近,我々はCNSにおいて宿主シチジン脱アミノ化酵素APOBEC1が内因性免疫実行因子としてHSV-1増殖を阻害する一方,HSV-1はウイルス特異的なウラシルDNAグリコシダーゼ(vUNG)のリン酸化制御機構を利用し,APOBEC1の抗HSV-1活性を打ち消すことを解明した.さらに,アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて,この抑制を解除すると,マウスモデルにおけるヘルペス脳炎が著しく阻害された.一連の知見は,CNSにおける宿主免疫応答とHSV-1の回避機構の新規相互作用を明らかにするとともに,ヘルペス脳炎の病態理解と新規治療戦略の開発に新たな道を拓くものである.
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© 2025 日本ウイルス学会
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