2023 年 60 巻 4 号 p. 143-153
土砂災害予測の指標として用いられる斜面貯留高に着目し, 水循環過程を忠実にモデル化することにより, 斜面貯留高を精度良く推定する手法を提案した。そして, 積雪地域の小起伏の丘陵斜面を対象に解析モデルの精度を検証した。その結果, 斜面貯留高を精度良く計算できることや, 蒸発散過程を考慮することで夏季における斜面貯留高の計算精度が高まることがわかった。また, 蒸発散過程は, 夏季において, 土砂災害に対して, 抵抗要因として大きく影響することが示唆された。