本研究は, 空中写真および立体地形図の地形表現精度が, 地すべり地形判読およびAHPによる危険度評価に及ぼす影響を体系的に検証したものである。東北地方の地すべり地形を対象に, 1mDEM立体地形図に基づいて抽出した亀裂・リッジの比高を指標として空中写真の視認性を評価した結果, 植生条件が微地形の視認性を強く規定することが確認された。さらに, 比高の段差モデルを用いた解析により, 各DEM立体地形図において判読可能な微地形の比高を体系的に整理した。加えて, 地すべり幅と亀裂・リッジの比高との回帰関係を用いることで, 各種図において判読可能となる地すべり規模を定量的に明らかにするとともに, AHPスコアの精度特性を示した。その結果, 1mDEM立体地形図は高い地形表現精度を有する一方, 空中写真 (森林域) および10~30mDEM立体地形図では, 小規模地すべりの危険度が過少評価される傾向が認められた。