AHP (Analytic Hierarchy Process) を用いた地すべり危険度評価カルテは, 地すべり地形の判読をもとにリスクを定量評価する手法の一つとして活用されてきた。最初に作成された旧AHPカルテは, 東北地方を中心とした約1100事例のデータに基づき, 専門技術者の知見により作成された。一方, 新AHPカルテは旧カルテの構成を踏まえつつ, より簡便かつ実用的に運用できるよう再構成されたものである。本研究では, 約1100事例の旧AHPスコアを新AHPカルテ形式に数式変換し, 変換スコアと空中写真判読による新旧AHPスコアの整合性を検証した。さらに, 地すべり危険性を判定する指標として用いられてきた危険度閾値を新AHPスコアで適用し, その妥当性を検証した。結果として, 旧カルテから数式変換した新AHPスコアは, 旧カルテの評価結果と整合し, 従来の危険度閾値も引き続き適用可能であることが示された。