2018 年 10 巻 1 号 p. 52-55
重症下肢虚血(critical limb ischemia以下CLI)は, 動脈の閉塞と狭窄によって末梢組織が壊死, 虚血にいたる多様性に富んだ複合的な病態である. そこで連携による集学的な治療が必要である. 現在, 下肢病変に関連する医療制度でも診療科連携の促進を目的として, 下肢末梢動脈疾患指導管理加算が新設されるなど, 透析病院と創傷と血行再建のための連携によって, 少しずつCLI治療の仕組みが整いつつある. 今後は歩行機能温存やサルコペニア予防などの観点に基づいて, より早期から整形外科, リハビリテーション科の参画が望まれる.