抄録
糖尿病足病変はもとより, 生活習慣病に加えて喫煙や加齢などから, 末梢動脈疾患や閉塞性動脈硬化症へと進み, 足病変の重症化へとつながる. 看護としてのフットケアは, ターゲットは「足」だけではなく患者その人であり, 患者自身の行うセルフケアに重点をおくことが特徴である. 足のケアを通して患者の生活を理解したり, 足の状態を理解するための働きかけを行ったり, 患者の足への関心を目覚めさせたり, 患者とともにケアを継続していく大切さを実感していく. 糖尿病看護におけるフットケアでは, アセスメントのうえで, 清潔保持や乾燥防止など足病変の予防方法を伝え, 爪のケアや足浴など必要なケア技術, 創傷や胼胝・鶏眼, 陥入爪などの足病変の適切なケア方法を検討し, セルフケアの支援へとつなげる. さらにフットケア実践をしっかり評価し, つぎのケアへとつなげていく.