抄録
重症下肢虚血症例に対しては救肢のための最善の治療を最短時間で始める必要があると同時に, 生命予後改善のための集学的介入が不可欠である. 具体的には, 虚血・感染のコントロール, 創部処置, 栄養状態・全身状態の改善, 至適内服治療, 患者・家族教育などその内容は多岐に及び, それぞれの専門家がお互いに連携を取りつつ効率よく進めていかなくてはならない. 済生会福岡総合病院では医師・看護師・栄養士・検査技師・理学療法士より構成されるフットケアチームが職種や診療科の垣根無く, 重症下肢虚血症例に対して集学的治療を実施しており, その内容に関して具体的症例を交えてご紹介したい.