日本下肢救済・足病学会誌
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総説
糖尿病足潰瘍予防への取り組み:足外来の創設から世界へ
真田 弘美
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2018 年 10 巻 1 号 p. 8-15

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抄録
東京大学医学部附属病院では, 2006年に糖尿病足潰瘍の予防を目的とした糖尿病足外来を設立した. 糖尿病看護認定看護師, 皮膚・排泄ケア認定看護師, 創傷看護学研究者が糖尿病足潰瘍のリスクの同定, 非潰瘍性病変のケアと教育を行っている. さらに, 創傷看護学や工学, 分子生物学の研究者が共同研究をしながら, 非潰瘍性病変を有した足潰瘍のハイリスク患者に絞り込んでケアを特化するプロトコルを作ってきた. 当院糖尿病・代謝内科外来における60ヵ月の累積足潰瘍発症率は1.2%に抑えることができている. 近年, 糖尿病患者数の急増により, アジアにおける糖尿病足潰瘍の対策が急務となっている. 中国で糖尿病足外来を行う機会を得て, 予防外来のニーズの高さを実感した. インドネシアにおいても糖尿病足潰瘍の予防に関する講義を行い, プロトコルを紹介した. 本稿では, 当院足外来の設立から, プロトコルを中国やインドネシアに紹介するまでの取り組みを紹介する.
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© 2018 日本下肢救済・足病学会
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