日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
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難治性創傷の最新治療(7)
フィラピーによる慢性創傷改善の試み
古川 雅英佐藤 精一石川 敬喜松本 健吾石原 博史
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2019 年 11 巻 1 号 p. 42-48

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抄録
フィラピー®は2000年に台湾で開発製造された遠赤外線の照射器で,シャント血管開存の維持,シャント血流量の増加,シャント血管の発達などを目的に台湾,中国,ヨーロッパを中心に世界10数ヵ国で使用されている.フットケアにおける有用性についてはまだ報告が少ない.今回われわれは当院創傷ケアセンターで入院治療を行った患者のうちフィラピー®を使用した5例の結果を検討した.男性4名,女性1名の5例で全例CLIの確定診断後EVTを施行され,趾もしくは前足部の切断術を施行後創離開や治癒不全の保存治療に用いた.有効であったのは4例で,有効とはいえず大腿切断となった症例が1例あった.本機器は移動可能で場所を選ばす,細かい設定は不要で適切な距離で皮膚に直接照射をすればよく,取り扱いが簡便で安全に使用できた.ほかの補助療法との併用も可能であり,ある程度の血行がある症例では補助療法として有効であろうと思われた.
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