日本下肢救済・足病学会誌
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原著
重症下肢虚血患者におけるModified Transmetatarsal Amputation前後の血行動態の検討
石田 泰久辻 依子森脇 綾北野 育郎寺師 浩人
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2012 年 4 巻 3 号 p. 169-172

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抄録
重症下肢虚血に対するtransmetatarsal amputation(TMA)の際われわれは末梢血流維持のため中足骨部の貫通枝を温存するmodified TMAを行う.しかしこの術式でも創治癒遅延,組織壊死が生じることがある.これを検討するため当院で血行再建術後にmodified TMAを行い,その術前後に皮膚灌流圧(SPP)を測定することができた患者11名のSPP値変化を調べた.Modified TMA後に足底,足背のどちらもSPPが上昇したのは3例,どちらもSPPが低下したのは3例,いずれか一方のSPPが低下したのは4例だった.どちらも低下する症例は再建血管が狭窄もしくは閉塞して創治癒遅延した.いずれか一方で低下する原因に中足骨部の貫通枝閉塞が関与していると考えられ,2例で治癒遷延,高位での切断が行われた.Modified TMAで貫通枝の閉塞をいかに予防するかが今後の課題である.
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© 2012 日本下肢救済・足病学会
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