日本下肢救済・足病学会誌
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特集:フットケア研修“下肢創傷管理の光と闇”“下肢救済のためのチーム医療”
重症下肢虚血肢の救済とQOLの再考
仲村 直子
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2013 年 5 巻 2 号 p. 29-33

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抄録

今回,チーム医療の提供により重症下肢虚血肢を救済することに成功した症例を紹介する.循環器内科,心臓血管外科,皮膚科,整形外科の各診療科とフットケア担当看護師,理学療法士が協働することにより,複雑な病態を抱える患者の問題を解決して,患者は歩いて退院することができた.退院までにフットケア看護師が行ったことは,①早期治療のための判断と調整,②全身状態の把握,③心不全および静脈採取に伴う下肢浮腫への対策,④血流評価,⑤疼痛コントロール,⑥切断部位と歩行の可能性のアセスメント,⑦リハビリ開始時期の判断であった.しかし,退院後に在宅で患者は寝たきりになってしまい,足を救済しても,患者のQOLを維持・向上することができなかった.この症例から下肢救済と患者のQOLについて考えたい.また下肢救済だけを目指すのではなく,患者のQOLを維持・向上していくために,チーム医療の中でフットケア担当看護師が担うべき役割について考える.

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© 2013 日本下肢救済・足病学会
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