2003 年 11 巻 2 号 p. 3-17
本稿は、知的資産を軸とした企業の内部改革を、いかに市場からの企業評価と結びつけるかを論じるものである。ここに知的資産を、企業の知的活動により生み出され、企業に将来価値をもたらす無形の要素、と定義すると、多くの企業では、顧客資産、ビジネスプロセス、高付加価値事業、等といった知的資産を取得・活用して内部改革を行っている。一方で、機関投資家等の市場関係者も、企業の知的資産を非財務要因として着目し、将来キャッシュフローの推定や資本コストの修正に利用していることがわかっている。今後、企業の課題として、知的資産を利用した内部改革努力を、制度開示を含むインベスター・リレーションズ活動でいかに市場での評価と結びつけるか、が指摘される。