2020 年 28 巻 2 号 p. 53-67
本研究では,サービス提供プロセスにおいて価値共創を効果的に実現するためにはどのようなマネジメント・コントロール・システムの設計及び運用が有効であるかを考察した.価値共創プロセスを支援するMCSについては,価値共創の対象は顧客と直接的にコンタクトを行うスタッフでありミドル・マネジメントではないこと,マネジメント・コントロールの手段を幅広く捉えることが有用と考えられることから拡張されたアプローチでマネジメント・コントロールを認識することが望ましい.価値共創においては,上位者から下位者へのMCSの一貫性と社内(従業員)と社外(顧客)に対するコントロール一貫性の両方を考慮すべき点にマネジメント・コントロールの新たな拡張の可能性を見出すことができる.