再生型事例(case of the reincarnation type)の多くでは、過去生と関係する恐怖症や嗜好、遊び、技能など過去生に関する発言以外の要素が見られる。事例の当事者が外国での過去生記憶を持つ、いわゆる国際事例(international case)の場合、その国への望郷の思いを抱いたり、その国やその国の事物に対して深い思い入れを持っていたり、言語を含むその国の文化と関連する技能を有していたりすることがある。本稿では、次の三つの特徴を持つ、日本人としての過去生記憶を持つロシア人の事例について報告する:(1)子ども時代の記憶を失っていない成人の事例である;(2)過去生記憶と関連する文化に対する強い嗜好を有する事例である;(3)過去生記憶と関連する卓越した技能を示す事例である。