2019 年 18 巻 p. 127-133
国内には大小合わせて1万カ所以上の産直市場があるとされる。そのなかには「地産地消」を標榜したものも少なくない。本研究では,産直市場を「地産地消の拠点として,生産者と購入者とが相互に価値を承認しあう場」と定義し,生産者・購入者の利用動機と地産地消への意識に関する概念図を作成した。そして,これを尺度として産直市場の有り様を考察したものである。その結果,産直市場における「地産地消メカニズム」を考えるうえでのインプリケーションを得たほか,この概念図を評価尺度とすることについても一定の有用性が確認された。