2021 年 21 巻 p. 11-17
統計情報から中小企業診断士の課題を明らかにすることを試みる。研究目的は診断士に内在する課題を提示することである。診断士が課題を克服して発展すれば,社会に対する貢献度が高まるからである。リサーチ・クエスチョンを「統計から導くことができる診断士の課題とは何か」と設定する。研究方法として統計資料を活用し,それらを根拠に課題に関わる仮説を帰納的に導き出す。諸統計を通じて,資格に対する評価や社会的関心は高い一方,資格休止者数の増加などキャリアと資格が整合していない事例がみられる。一連の調査を踏まえ,「キャリアと資格の不整合が生じやすい環境にある」との仮説を提示する。