2021 年 21 巻 p. 52-58
本研究は,2020年9月実施,日本経営診断学会全国大会予稿「藤井秀樹学説における会計評価論」および研究発表における研究途上の論文を日本経営診断学会論文投稿規定に基づき加筆・訂正したものである。1990年代後半から2000年代初頭まで,会計制度の大きな変革があった。藤井が,先駆者的に取得原価主義と実現可能性基準の関係を説明した。そして藤井は,生涯取得原価主義を貫き,終始一貫した理論を展開した。本報告のリサーチクエスチョンは,藤井が,取得原価主義会計にこだわった学術的な理由である。