日本経営診断学会論集
Online ISSN : 1882-4544
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製造業中小企業の新製品開発の成功促進要因についての仮説導出―吸収能力の観点から―
大谷 隆児 名取 隆
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2021 年 21 巻 p. 45-51

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抄録

資源の限られた製造業中小企業にとって,環境変化に対応して新製品開発に成功し,大きな付加価値を創出するためには吸収能力が重要な役割を果たす。本稿では先行研究と事例を調べ,中小企業が吸収能力を高め,市場ニーズをとらえて機会認識して新製品コンセプトを創造し新製品開発に成功する促進要因について仮説提案した。仮説の内容は次のとおりである。すなわち,①自社商品・技術の情報発信をすること,②情報発信をきっかけに外部からニーズ知識とシーズ知識の両者を得ること,③機敏性を持つこと,④情報共有の仕組みを持つこと,⑤新製品開発を経験することで吸収能力が向上し,機会認識と新製品コンセプト創造が促進され,最終的に競争優位を達成できること,である。

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