2022 年 22 巻 p. 27-33
2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴い,飲食業界を取り巻く環境は目まぐるしく変化し,多くの飲食店では事業の再構築が求められている。他方でフードデリバリー・サービス市場は大きな躍進を遂げている。本稿では,日本のフードデリバリー・サービス業界に焦点をあて,プラットフォーム・ビジネスの多角化戦略を4つのタイプ,①水平型B2B拡大PF戦略,②垂直型B2B拡大PF戦略,③水平型B2C拡大PF戦略ならびに④垂直型B2C拡大PF戦略に類型化する分析枠組みを提示した。そのうえで,Uber Eatsと出前館の比較事例研究を通してサイド内ネットワーク効果およびサイド間ネットワーク効果がPF型ビジネスの多角化戦略の規定要因となることを明らかにした。