2022 年 22 巻 p. 34-40
中小企業診断士における資格休止者を取り上げる。休止者は増加傾向にあり,さらに進行すれば中小企業支援の停滞につながりかねない。研究目的は資格者が活躍しやすい環境づくりに貢献することである。実態を洗い出すため,リサーチ・クエスチョンを「資格休止者の典型例とはどのようなものか」と設定する。文献・資料を用いて,年代は40~50代,職業は民間企業の属性が多数を占める,自己啓発志向が強い者が休止に陥る可能性があるとの特徴を指摘する。これらを踏まえ,「自己啓発志向の強い40~50代の民間企業勤務者」という典型例を示す。休止者の実態を明らかにし,志願者や資格者に対するキャリア選択の情報となる点が本研究の意義である。