本論では,筆者の先行研究で論じたマーケティング領域での影響が想定される外部環境要因の分析結果を発展させ,2020年の追加調査を含めた4回の調査結果を使用し,マーケティング管理者が重視する外部環境要因に対する意識の変化を分析した。分析では,日本のB to C企業へのマーケティング管理者の外部環境要因に対する意識の調査結果を使用した。分析は,調査年ごとの独立した調査結果の分析と,複数回の調査に参加している同一回答者の連結データによる時系列分析を使用し,両者を比較した。分析の結果,日本企業でのマーケティング管理者による外部環境要因に対する意識は,コロナ禍でも極端には変化していない点と,独立調査での平均値の変動と時系列データの平均値の推移の間で,サンプル数は少ないものの変化の傾向が異なる企業の存在を確認した。