ブリコラージュとは,手もとにあるあり合わせの道具や材料を使って臨機応変に問題を解決していく思考様式を指している。本研究では,経営資源に制約のある企業の自走を促すような伴走支援型の経営診断が求められている点に着目し,このブリコラージュに関連する研究知見が,こうした経営診断の遂行にどのような貢献を果たしうるのかという点を探索的に考察している。考察の結果,ブリコラージュは経営診断の主な診断対象となる中小企業の問題解決思考との間に非常に高い適合性がみられ,診断対象の描写と理解という診断の基礎領域においてきわめて有益である点が確認された。また,経営診断の他の3つの領域,つまり前提領域(診断対象へのリスペクトの醸成),内容領域(資源制約下でのプロアクティブな診断の実現),方法領域(伴走支援における対話基盤の提供)においても有益な貢献が期待できることが示された。