抄録
商品化にあたって消費者の使い勝手が考慮されなければならない。消費者は、提供者の意図を超えて商品を使用する。そこに宿命的に生じる設計者の意図とニーズとのズレを、事前にどのように関知しデザインの中に取り込むかが重要である。ズレの存在(情報の粘着性)は、近年のユーザー・イノベーションやユーザーに直接聞いてしまうといった開発手法などに象徴的に示されている。「使用コンテキスト」という考え方に立って、ニーズの翻訳としての顧客機能の把握を心がけなければならない。また、複数ユーザーによって集合的に利用されるような商品やサービスの場合には、コンテキストの中から発見的に商品化の方向性を導き出す方法が有効である。