2010 年 9 巻 p. 66-71
わが国では,大型店の郊外出店や公共施設の郊外移転などの要因で,中心市街地の疲弊が進んだ。イギリスでも,サッチャー政権における開発主導型の都市政策の下で,ショッピングセンターなど郊外開発が進み,中心市街地の疲弊が深刻化した。しかし,イギリスでは1990年代後半以降,中心市街地への小売開発の誘導,BIDによる中心市街地活性化という点において成果をあげている。イギリスの政策を直ちにわが国に適用することは,都市計画制度や地方自治制度の相違などの面で困難であるが,日本版BIDについてはイギリスのBID 制度にならって今後検討をすすめる必要がある。