市場成長率の鈍化という理由から, 多くの産業で防御的戦略を採用することが推奨されているが, それでは経営診断としてあまりにも短絡的ではないかという問題提起を行った。そこで, 注文型眼鏡を対象として, 眼鏡店とその顧客との関係について調査を行った。新規客比率が40%以下を顧客維持型戦略 (N=65), 新規客比率が60%以上を新規顧客獲得型戦略 (N=50) と分類して, 探索的な分析を行った。その結集, 注文裂眼鏡という単一の商品を対象として, クロス・セクショナルな分析という限界点はあるものの, マイナス成長の市場においても, 維持戦略と獲得戦略の間に大きな違いを見出すことはできなかった。