日本経営診断学会論集
Online ISSN : 1882-4544
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  • 徳永 豊
    2005 年 5 巻 p. 3-22
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    経営診断学を未来展望するために経営診断の対象領域軸, 経営診断理論の源泉軸, 経営診断の技法軸の3本の柱を設け, それぞれの軸ごとの発展や拡大傾向を問題にしながら, 経営診断理論の必要性や経営診断に関与するであろう学問領域からの内容借用と技術借用の必要性を指摘しと。経営診断学は, 残念ながら, 経営診断の技法が先行し, 科学的・理論的バックーボーンが疎かにされてきた嫌いがある。最近の最高経営者層の多くは, 経営に対する問題解決方法の理論的説明を求める気風が芽生えてきた。われわれはそれに応えなければならない。
  • 長島 俊男
    2005 年 5 巻 p. 23-32
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    経営診断は経営に個別性があるあめ存在する。経常についての諸科学の個別適応の方法である。経営診断学は経営学等の論旨のそのままの提示とは異なる。経営診断は個々の「経常上の問題点の発見」とそれの「改善案の作成」の二つから成り立つ。前者は経営の実態とかくあるべき状態きの比較から得られる。後者は経営の個別特性を基に最もよいと考えられる案を作成する。前者後者とも行う方法についての研究が大切である。経営診断学は診断という行為そのものを対象とした科学である。研究方法としてケーススタディは有力である。優れた方法が, それらから帰納して得られる。その集積が経営診断学の内容となる。
  • 野本 千秋
    2005 年 5 巻 p. 33-43
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    企業は今日の複雑性の増大するなかで生存的であるためには, 必要最小多様性を維持し続けることが必要である。本論はVSMパラダイムを, 経営診断モデルとして活用することによって, 従来のこの分野の研究に新しい方向性を与えることを目的としている。
  • 新井 信裕
    2005 年 5 巻 p. 44-56
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    わが国は経済価値の高度成長から社会価値の創造を目指す新たな路線への変革を目指し, 国と地方のあり方を抜本的に見直す地方分権政策を推進しつつある。
    この課題に綜合群学の粋である日本経営診断学会が挑戦し, コミュニティマネジメントのあり方を体系的に確立する新たな診断・支援技術を開発すべきであると提言する。
    ここに敢えてコミュニティマネジメントとしたのは, 国対地方という従来モデルを, 市民を中心とする様々なステークホルダーが参画し, 自らの住む場をコラボレーションによりマネジメントする新たなシステムとして構築することを意図したものである。
  • 2002年JGSSデータ※ の解析結果より
    大橋 正彦
    2005 年 5 巻 p. 59-68
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    現代の消費者に「グリーン・プレミアムとしてグリーンもしくはエコ製品に対する追加的コストの支払い意志。」があるか。本研究は, 2002年JGSS (日本板General Social Surveys)のデータを使って, 家電製品的の場合のわが国消費難者のエコ意識と価格意識の関係等を分析し主に標記命題 (仮説) の検証を試みると同時に, エコ価格政策とその診断のあり方について推論した。その結果, わが国でも大多数の消費者は生態学的特微をもつ製品のために喜んで多くのプレミアムを払おうとる意志は必ずしももっているとは限らず, K.B.Monroe (1990年) 及びC.Quintana (1995年) の見解のとおり, 最終的にはブランド, デザイン及び製品の機能など第一次的便益とのコンビネーションによって購買意志決定がなされる, つまりその時点で知覚価値の再認識され, 意志決定きれることがわが国では初めて実証された。と同時にこの結果は, 少なくとも家電関連企業における診断時の一つのノウハウとして有用となろう。
  • 相互浸透過程における責任概念の変遷
    舘岡 康雄
    2005 年 5 巻 p. 69-80
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    最近, 企業活動においても支援が重要になってきている。関係するエージェントが業務プロセスにおいて, 一定の閾値以上の利他牲を発揮すると, 從来の管理行動様弐では解決できない諸矛盾を解決できる。この支援行動の原理と内容の紹介と, それらが経営品質や社会的責任に対してどのような役割を担う可能性があるかについて論述する。「プロセスパラダイム」の時代には支媛マネジメントぶ必須となってくるだろう。
  • 永江 総宜
    2005 年 5 巻 p. 81-90
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    高齢化社会の進展を背景としてわが国でもユニバーサルデザインが注目されてきている。しかしながら, これをビジネスとして取り扱う試みは必ずしも大きな成功を見ているとは言えない。ユニバーサルデザインビジネスには複数の類型が見出せるがこれらを成立させるためには単にデザインを考えるだけでは足りない。消費者とともに認知度と知識を向上させること, 商品やショップの魅力などビジネスとして正当に捉えること, 概念を明確化すること, などがビジネスとしての可能性を高めると考えられる。
  • VCR-Dモデルとその適用
    藤原 武
    2005 年 5 巻 p. 91-104
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    戦略経営の基本的な要素は大きく分けて3つ考えられる。それは, Value Proposition (価値提供), Cash Generator (キャツシュ・ジェネレーター) およびRisk Management (リスクマネジメント) の3つで, それぞれの頭文字をとってVCRとよぶ。Domain (ドメイン: D) を前提としたVCR-Dモデルは, 戦略経営の基本モデルとなる。VCR-Dモデルは要素間で相互関係と影響・作用の流れがあるダイナミックなモデルである。これを使ってダイナミックなビジネスデザインの設計および評価・改善が可能となる。
  • 原田 保
    2005 年 5 巻 p. 105-113
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿においては, 持続的競争優位を実現するためには, 伝統的なコンテンツドリブンビジネスモデルよりも, むしるコンテクストドジブンビジネテモデルが優れいると考え, そのニューモデルの1つとして統合サプライマネジメントの提言が行われる。具体には, それについての基本概念や持続的競争優位性等がコンテクズトドリブンビジネスモデルとコンテンツドリブンビジネスモデルの比較を通して言及され。
  • -ローム株式会社の事例
    奥井 武史
    2005 年 5 巻 p. 114-127
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    事業展開や国際化は他組織をいかに有効に活用しマネジメントしていくかにかかっているというでもよい。しが, これにより新たなりスクが発生する。パブルの崩壊以降多くの企業はアウトンーシングを実施してきたが, 情報の漏れ, 内部牽制などへの対応は妥当であろうか。成長戦略してアウトンーシングを活用してきたローム (株) の事例を詳し見て, 戦略リスク・マネジメントの概念と, 「無の経営」の考え方, それらの構成要素としてのーウトンーング, コア・コンピタンス, アライアンスについて論じる。
  • 地域システムカの基本構造とシステム評価について
    山本 勝, 横山 淳一, 永井 昌寛
    2005 年 5 巻 p. 128-139
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    地域住民が健康で幸せな生活を送っていくためには, それぞれの地域内において, より良質の包括ケアサービスを, 「必要な時, 必要な住民に, タイムリーに, そして効率的に」提供していくことを目的とした地域包括ケアシステムの構築とその円滑な運用が必要不可欠である。
    そこで, 本稿においては, とくに地域包括ケアシステムの総合特性を表す評価尺度として, 「地域システムカ」を定義するとともに, この地域システム力を用いた地域包括ケアシステムの評価体系のあり方と評価方法等について, システム論的立場から考察並びに提言を行う。
  • 横山 淳一, 横井 仁史
    2005 年 5 巻 p. 140-153
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    介護保険制度下において質の高い分護サービスを継続的に提供していくためには, 現在提供されている介護サービスの評価を避けては通れない。本研究では, 豊田市介護サービス機関連絡協議会の協力の下, 平成14年および平成15年に実施した介護事業者に対する評価状況のアンケート結果をもとに, 評価の実施状況並びに評価が経営に及ぼす影響, 提供される分護保険サービスと評価の関係等を明らかにするとともに, 質の高い介護保険サービスの提供につなげるための評価方法について考察した。
  • 永井 昌寛, 横山 淳一, 横井 仁史
    2005 年 5 巻 p. 154-168
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    高度情報社会の進展に伴い, 歯科医師会は歯科医師および地域住民に対して情報サービスを充実していく必要性が冬てきた。また, 歯科医師会は業務の効率化および会員等へのサービスの向.との鳥めに情報化推進が重要になってきている。歯科医師会において情報化を適切に推進していくだめには, 情報化の現状・ニーズを適切に把握し, それらに応じた情報化推進計画を実施していく必要がある。そこで, 歯科医師会に対して実施した実態調査結果を中心に歯科医師会の現状と課題について考察し, 歯科医師会の情報化推進方策を提言する。
  • 生産性分析からのアプローチ
    藤木 善夫
    2005 年 5 巻 p. 169-179
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    医藥品卸売業は業界全体としてM&Aによる企業再編で生き残りを模索している。このブームともいえる合併がどのような経済効果をもたらしているかについて、生産性に注目して分析する。対象となる企業・期間は上場医薬品卸で、それぞれ合併前の5年間と合併後の5年間の生産性についての比較分析である。更に標準化変量を求あることによって対象企業間の合併效果の相対比較を行い、相対的な合併の進捗度合いも明らかにする。いわば「合併は効果があったのか」ということである。
  • 天明 茂
    2005 年 5 巻 p. 180-189
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    国の内外を問わず企業の社会的責任 (CSR) への関心が高まっている。CSRが経営戦略の中軸に位置づけられるようになったのは望ましいが, マーケティングの手段として捉えられ, あるいは投資という観点からリターンを求める傾向が強すぎる。とりわけ, 商品・サービスがもたらした潜在的な社会的損失の論議がすっかり抜け落ちているところが昨今のCSRの死角である。これらの抑制に向けた努力や積極的開示をCSR診断に取り入れる必要がある。
  • 事業委託をめぐって
    秋葉 武
    2005 年 5 巻 p. 190-199
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    近年, 多くの地方自治体とNPO間で組織間関係が生成し, 維持されるようになった。反面, 両者間で多くのコンフリクト (Conflict) が発生している。中間支援NPOおよび地方公共団体へのフィールドワークをベースにして, 本稿では以下の点について論じる。つまり, 組織間関係に関して地方自治体からNPOへの事業委託をキーワードとして, 組織論的アブローチを用いて検証する。またコンフリクトに関して, 特に地方自治体の弱いガバナンス機能に焦点を当てて分析を試みた。
  • 原 義彦
    2005 年 5 巻 p. 200-211
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿は, 公民館経営診断技法の研究の-環として, 地域づくりに対する公民館機能の診断を行うための診断指標開癸の視点の提示を試みたものである。顧客満足の考え方を参考にして, 公民館利用者, 住民, 公民館職員が地域づくりに果たす公民館機能のどのような点を重要と考えているかを明らかにした。また, 診断指標の開発においては, 公民館利用者, 住民, 公民館職員からみた重要度の高い項目を考慮するとともに, 三者が共通して重要と考える項目に関れる診断指標の開発の意義を提示した。
  • 学習の評価を踏まえた協働ルネサンスへ
    坪内 一
    2005 年 5 巻 p. 212-223
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    今日, 市民の主体的学習の機会は多様な拡がりを示すが, 今後行政が支援すべき生涯学習の対象領域は, 社会参画につながる目的・内容を備えたものが中心になると思われる。そこで, 個人の学びを通じた変容過程を, 社会的関係性の拡大という視点で捉え, 質的に評価することが重要となる。地域住民が自ら地域の公共的課題を解決する主体となることが望まれている中で, そのための「担い手」育成とネットワーク化を進め, 社会資本を強化することが生涯学習振興施策の一番の課題といえる豊かな地域の活性は, 学習とその評価を踏まえた官・民協の推進によって, 一層效果的に実現されるのである。
  • 菅原 浩信
    2005 年 5 巻 p. 224-234
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿では, 主に競合他組織に焦点を合わせ, コミゴティ放送局がどのようなマネジャンンを展開しているのかについて, 札幌市内のコミュニティ送局を対象に分析を試みた。その結果,(1) 競合他組織や放送エリアに適合したリスナー・スポンサーの設定や番組方針・内容の採用がなされていること,(2) ネットワークを活用した番組方針・内容となっていることが明らかとなった。今後, コミュニティ放送が存続くを図っていくためには, 明確な競争戦略を採用すべきであり, その方向性は,(1) 地域生着の強化,(2) 独自性の構築,(3) 地域メディナとしての位置づけの獲得の3点に集約される。
  • 「見識ある市民」を意識して
    萩原 富夫
    2005 年 5 巻 p. 235-245
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    公共図書館の経営をNPO等第三者に委譲するという問題が盛んに論議されている。その一方で, ビジネスライブラリーの機能を図書館活動に位置づけ, それを地域の経済社会の活性化に結びつけ, その可能性に期待する向きがある。60年代以降, 市民の図書館の貸出を中核とする活動を全国の公共図書館が実施し, それは特に高度経済成長を支えた市民層によって受け入れられていった。社会が成熟段階に達した現在, 公共図書館の貸出戦略の行き詰まりから, その活動を支援の視点から見直す。それと共に, 真に図書館の情報を必要とする社会層を見識ある市民と位置づけ, その人々へのコミュニケーションによる情報提供, すなわちレファレンスサービスが公共圏の形成であることを提案する。
  • 男女役職者の意識を通して
    加藤 里美
    2005 年 5 巻 p. 246-258
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本論文では, 外資系企業における女性登用段階と, 男女役職者における女性登用に関する意識分析を行った。その結果, 予想されたように外資系企業の女性登用段性は日本企業よりも進んでいる。從って意欲のある女性には働きがいがあると考えられる。しかし職場や企業風土におけるジェンダー意識をみていくと, 日本企業に比べて働きやすい環境であるとはいえないことが明らかになった。外資系企業においても十分な女性の長期的キャりア継続支援システムや男性側の意識改革は必要である。
  • 山崎 康夫
    2005 年 5 巻 p. 259-269
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    従来のTQMやIS09000の活動では, 営業活動の効率化手段としては充分行なわれてこなかった。また営業業務における販売企画や販売促進, 顧客管理などの業務は, どちらがというと営業マン個人にまかされており, また仮に季順化されていても, その手段が最適で改善の余地がないかを確認する作業が行なわれてこなかうた。
    顧客重視で簡単にモノが売れない時代には, 営業業務の標準化及びこれらの継続的改善に取り組むことが必要不可欠となってきている。ここでは, 従来のTQMんISO9000のの手段ではなく, 両者を融合させた営業におけるプロセスマネジメントについて論述する。
  • 井上 博進, 後藤 時政, 富田 八郎, 金澤 健
    2005 年 5 巻 p. 270-282
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    企業経営においては, 売掛債権は全て計画どおり回収出来るものとして経営計画, 資金計画が立てられている。ところが多くの企業において売掛債権の回収不能が生じている。債権の焦付きやや回収の遅れは, 収益見通し並びに資金計画に大きな影饗を与えるため, その発生は極力防がなくてはならない心企業における不良債権の発生はどのような実情にあるのか心また, その発生防止及び発生した場金の回収にどのように努めているのが実態調査を行なった。その調査結果を踏まえ, 不良債権の発生防まと円滑な回収方策についてまとめたものである。
  • 菊池 一夫
    2005 年 5 巻 p. 283-293
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿はPorterの競争戦略の枠組み (5つの競争要因、基本戦略、戦略グループ、価値連鎖) を検討し、その枠組みを小売分野に適用した諸研究を包括的に概観し、その上で、マーケティグ・チャネルで最終消費者に直結する小売業者の性格がら、そめ意義と限界点について議論し。消費者視点め重重性を主張するものである。
  • 松田 幸弘
    2005 年 5 巻 p. 294-306
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    ライフスタイルや親和動機, 孤独感の携帯電話態度に及ぼす影響を分析するために大学生を対象とした質問紙調査を実施した結果,(1) 携帯電話態度は携帯の魅力, メールの必要性, 携帯の嫌悪, 携帯の利便性など4因子, またライフスタイルはファッション志向, 知的好奇心, 同調志向, 節約志向, 娯楽志向など5因子が確認され,(2) 各因子の下位尺度の信頼性と妥当性が検証された。また (3) 階層的重回帰分析の結果から携帯電話態度の各因子は親和動機や孤独感, ライフスタイルの各因子に規定されることが確認された。
  • 杉原 秀一
    2005 年 5 巻 p. 307-322
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    わが国のスタンプは米国のスタンプ事業と比べ, 商店街が行う地域密着型の事業活動であり販促性コミュニティ活動である。顧客がスタンプを集める誘因は, 基本的には消費の節約からである。スタンプ事業が普及し, 競争業者ぶ増えると販促手段としての効果性が失われる。スタンプ事業の優位性は, 地域社会と商業め関係の希薄きを修正ずることに着眼し, 地域社会の要請に応えるべく販促手段からコミュニティ手段として転換を図ることで, スタンプを媒介とした'ふれあい'のある地域イベント事業で地域商業の活力を生みだすのが重要である。
  • 雑賀 憲彦
    2005 年 5 巻 p. 323-334
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    日本の大学は, 18歳人口の急減以来経営上の問題がいくつも浮上してきた。国立大学の独立行政法人化による競争の激化, 株式会社の学校法人の参入の問題をはじめ外部経営要因による圧 力から内部経営問題が噴出している。その中でも最近注目されているガバナンス, 入事制度, スタッフディベロップメントの3つを取り上げ, 筆者の大学経営診断の経験的アプローチと企業からの視点, さらにはアメリカやイギリスなどの比の上で分析をしてみた。その結果, それらのいずれもが [人] にかかわる課題であることから, 改善の方向性を人事制度改革に絞って提言している。
  • 田川 元也, 山本 勝
    2005 年 5 巻 p. 335-348
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    介護保険制度の開始以降も介護サービス利用者数は増加の一途を辿っており, 介護サービス提供の在り方について抜本的見直しが求められている。
    そこで本研究では, 全く新しい介護サービス提供方式として「トヨタ生産方式」を介護分野へ技術移転した「トヨタ介護方式 (仮称)」の開発を試みた。「トヨタ生産方式」は「必要な良品を, 必要な時, 必要なだけ」生産することを目標とした生産方式であり, 良質の介護サービスを「必要な要介護者に, 必要な時, 必要なだけ」提供する必要がある介護分野においてもその技術・方法・方針は適応可能である。
  • 代表的なライフスタイル分析の手法と事例
    仁平 京子
    2005 年 5 巻 p. 349-360
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    「生涯顧客価値」の創造が, 企業の経営上の重要な問題であるとの認識が強まっている。本稿では, 多次元的で包括的な生活主体である消費者を経営診断の対象領域に含め, 「消費者診断」のための分析用具として「ライフスタイル分析」を捉える。そして, 本稿では, 社会や準拠集団レベルの消費者の把握を目的とした「マクロアプローチ」と個人レベルの消費者の把握を目的とした「ミクロアプローチ」という2つの分類基準から, ライフスタイル分析の系譜の分類枠組の提示を試みることを目的とする。
  • 企業社会責任 (CSR) の含意に基づいて
    奥澤 英亮
    2005 年 5 巻 p. 361-371
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本稿では.企業社会責任 (CSB) の含意に基づき, 環境問題に焦点を当てたマーケティングの展開を考察する。今日のCSRには, ステイクホルダーマネジメントという要素が加味され, 主要なステイクホルダーとして, 消費者, 競合他社, 取引・提携業者が挙げられる。循環型社会の構築・運営を念頭に置くと, 企業存続, 顧客満足, 競争優位, 企業間協調という, 企業ーステイクホルダー関係に対応した諸概念は, 環境負荷低減という社会的目標と不可分になる。理代企叢のマーケティングは, 環境問題への対応をめぐって絶えず変容する競爭と協調の枠組みのなかで展開されていく。
  • 責任内容の重層化とその意味
    榁田 智子
    2005 年 5 巻 p. 372-384
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    食品企業の紙会的責任については製造段階におけるそれが重視されてきとが, 今日では製品の流通過程にまで責任領域が拡大している。食品企業における社会的責任は製品の絶対的な安全基準によってではなく, ステークボルダーが抱く企業活動に対するイメージとその実態とのギャップの認識を契機に生まれる, 相対的な期待によって形成される。本稿では社会的構築物としての責任概念を用いて (1) 食品企業における潜在的責任の表面化および (2) 食品企業の社会的實任における客体の主体化によって, 社会的責任内容の重層化が進行していることを論じる。
  • 加藤 壽宏
    2005 年 5 巻 p. 385-396
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    日本の建設業における経営診断の一つとして経営事項審査〈経審〉がある。これは建設業者の経営規模, 経営状況等の分析値を用いて行われるものであり, 公共事業における入札制度の中で活用されている。それというのも, 経審によって公共事業が選別され, 業者の適正が判断される一指標となっているからである。ところが近年, 入札制度の意味合いが変質し, 安ければどこでもよいといった風潮が蔓延し, 経審が骸化している。そのため健全で技術力のある業者が疲弊している。重要なことは業者を総合的に診断することであり, そうした診断指標を入札制度に效果的に反映させることである。それには公共事業の意味を再検討することが肝要である。
  • アントレプレナーの人物像
    宮脇 敏哉
    2005 年 5 巻 p. 397-410
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    果敢に挑戦するアントレプレナーなくして、乗敢に挑戦するベンチャー企業は発生しない。本稿では、まずアントレプレナーの定義をあげ、経灘学者、経営学者全般の考え方を提しした。次にアントレプレナーの出現から成長、発展を見でその人物像、資質と性格、能力と理念を検討した。さちに、アントレプレナーの教育と学歴、地域を検討してベンチャー企業発生の根源を検討した。検討の結果、アントレプレナーの出現には地域における影響が大きいことがベンチャー企業クラスター地域の京都、浜松を検討することにより理解できた。域域ビジネスあるいはベンチャー企業クラスター地域の特性をアントレプレナーを検討することにより解明したと考える。
  • 河口 真一郎, 関 忠夫, 玉井 政彦
    2005 年 5 巻 p. 413-424
    発行日: 2005/10/10
    公開日: 2010/06/15
    ジャーナル フリー
    本研究は、ウズベキスタンとカザフスタン両国におけるJlCA日本人材開発センタープロジェクトの活動の親状と、研修参加者の要望調査に関する。両国の産業レべル、経済市場化の経過とその発展レべル、両国政府の産業振興政策は大きく異なっており、その結果として産業界が求める人材育成のこーズとそのレべレにも多様性がある。両国の多様性に対応した研修こーズに的確に応すべく、マズローとへルツバークの視点から両日本センターの研修参加者の要望調査とその分析を行い、効果的な研修をデザインする際の参考資料とした。
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