抄録
食品企業の紙会的責任については製造段階におけるそれが重視されてきとが, 今日では製品の流通過程にまで責任領域が拡大している。食品企業における社会的責任は製品の絶対的な安全基準によってではなく, ステークボルダーが抱く企業活動に対するイメージとその実態とのギャップの認識を契機に生まれる, 相対的な期待によって形成される。本稿では社会的構築物としての責任概念を用いて (1) 食品企業における潜在的責任の表面化および (2) 食品企業の社会的實任における客体の主体化によって, 社会的責任内容の重層化が進行していることを論じる。