抄録
日本の建設業における経営診断の一つとして経営事項審査〈経審〉がある。これは建設業者の経営規模, 経営状況等の分析値を用いて行われるものであり, 公共事業における入札制度の中で活用されている。それというのも, 経審によって公共事業が選別され, 業者の適正が判断される一指標となっているからである。ところが近年, 入札制度の意味合いが変質し, 安ければどこでもよいといった風潮が蔓延し, 経審が骸化している。そのため健全で技術力のある業者が疲弊している。重要なことは業者を総合的に診断することであり, そうした診断指標を入札制度に效果的に反映させることである。それには公共事業の意味を再検討することが肝要である。