1996 年 20 巻 3 号 p. 151-159
映像視聴能力を「映像制作者による映像構成を読取ること」と定義し,映画「裸の島」から主要場面として44場面を抽出し,大学生73人を被験者として場面間関連性評価データを得た.このデータを場面間類似性データと見なして多次元尺度法によって解析した結果,時間軸において近く内容的にも連続性を持つ「近接関係」場面集合の抽出が確認されたと共に,時間軸において遠くでありながらも制作者の内容的意図として連続性を持つ「遠隔関係」を支持する場面布置が得られた.これより視聴者の映像認知構造について,いわゆる伏線理解を中心として映像視聴能力について議論した.