2000 年 24 巻 suppl 号 p. 35-40
授業者による学習活動の設計意図と子どもの学習経験とはずれが生じる.特に総合学習のように子どもの学習活動が多岐にわたる場合, 学習経験の予測が難しい.本稿では, 総合的な学習活動の一事例を取り上げ, 学習活動に対する授業者の意図と, 実際の授業過程における子どもの学習経験をそれぞれ分析し, 両者の関連性について考察した.その結果, 多岐にわたる課題追究に対して価値基準を置くことの有効性と, 学習意欲喚起のための日常的な働きかけが重要であることが明らかになった.