日本教育工学雑誌
Online ISSN : 2432-6038
Print ISSN : 0385-5236
自己効力感,不安,自己調整学習方略,学習の持続性に関する因果モデルの検証 : 認知的側面と動機づけ的側面の自己調整学習方略に着目して
伊藤 崇達神藤 貴昭
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2004 年 27 巻 4 号 p. 377-385

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抄録

本研究は,自己効力感,不安,自己調整学習方略,学習の持続性に関する因果モデルの検証を行うことを目的とした.自己効力感尺度,学習時の不安感尺度,認知的側面の自己調整学習方略尺度,自己動機づけ方略尺度,学習意欲検査(GAMI)の下位尺度である持続性の欠如が,中学生449名に対して,試験の1ヶ月前と1週間前の2回にわたり実施された.共分散構造分析によって検討を行った結果,以下のことが明らかとなった.(1)自己効力感が高いものほど,認知的側面の自己調整学習方略と内発的調整方略をよく用い,外発的調整方略は用いていなかった.(2)学習時の不安感が高いものほど,認知的側面の自己調整学習方略,内発的調整方略,外発的調整方略をよく用いていた.(3)内発的調整方略の使用は,学習の持続性の欠如と負の関連を示し,外発的調整方略の使用は,学習の持続性の欠如と正の関連を示していた.

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© 2004 日本教育工学会
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