本論文は今後の教育, さらには社会生活において重要と考えられる複数の人間による討論について, 発言時間と発言者の移り変わりという客観データをもとに行なった研究について述べるものである.研究の一つの目的は,客観的に観察した討論構造の明確化であり,①L型(リーダー型),② M型(メンバー型),③対話性,④参加者の関連等についての分析を行なった.もう一つの目的は,客観データの主観的観察という方針のもとに,討論の参加者に対してKR情報を与えることにあり,その手法として,(1)発言グラフ,(2)個人別発言グラフ,(3)N-T図を提案し,これらを有効に生かすためのオンラインシステムを開発した.