1980 年 5 巻 2 号 p. 61-69
教育の場におけるカテゴリカルデータ(名義尺度データ)の解析に情報量測度を用いた手法を述べる.本稿ではとくに,二つのカテゴリカル変量間の連関を相互情報量で評価することにより,その連関の判定規準として情報量規準AICを導入している.手法の有効性を示すため,多肢選択式テストデータについて,1)項目の回答選択肢分布の情報量測度による評価(等価選択肢数の利用)および解釈,2)項目間の連関性判定による項目群の類題関係構造の表出.記述式テストデータについて, 3)多肢選択式テスト作成のための,有効な選択肢となりうる2項目間共通誤答の抽出.以上を応用例として示す.