1983 年 7 巻 3 号 p. 129-141
学校現場における練習問題の演習方式として,従来よく行われているふつうのやり方のものと,筆者らが創案した“ヤルキーズシステム”(学習者の動き回る行動を生かしたもので,本研究では,カルタ取り方式とカードコーダ方式)の2種,ならびにカルタ取り方式から学習者の動きをなくしたものとの, 4方式の比較実験を,中学校3年数学で行った.実験は第一次,第二次の2回にわたって行ったが,その結果,学力の伸びには4方式間の差はみられなかったものの,ヤルキーズシステムの2方式は,他の2方式に比べて,「楽しく」浪習できたことなどが明らかになった.さらにヤルキーズシステムの2方式を比べると,カードコーダ方式の方が,正解やキューのことばが,教師の声によって与えられるため,概してよい印象を与えたことがわかった.