1980年以来,筆者は福井大学教育学部の定期の講義(数学科教育法Il)の中で,授業設計の指導とともにマイクロティーチングの実施を取り入れている. 同様のことは他のいくつかの教科においても行われている.一方, 1982年からは, 教育実践研究指導センターを中心として行われている教育実習事前学習において, 8~10名の教官と2名の技官によるマイクロティーチングの指導が行われるようになった.これらの試みはマイクロティーチングが実用化されたという意味で大きな意義を有する.後者(狭義の事前学習)においてはごく簡単な内容のものを行い,前者(広義の事前学習ー教科教育法)においては専門教科の指導に関する知識を必要とする内容のものを行うとともに, すべての学生に教師役を二度以上経験させるために, 四つのグループに分かれて同時にマイクロティーチングを実施する等のエ夫を行い,いずれも大きな成果を上げた.