1996 年 13 巻 1 号 p. 52-57
単純組成培地(HECM)によるウシ体外受精由来胚の体外培養条件について検討した。HECMおよびTCM199培地を用い,卵丘細胞との共培養,または非共培養をした場合,前者での培養が後者でのそれよりも胚盤胞への発生率が高かった。また,共培養系でない場合,HECMのほうがTCM199より胚盤胞形成率が高かった。HECMを培養液とし,それに子ウシ血清と成長因子を添加すると胚盤胞の形成率を高め,胚盤胞の総細胞数を増加させた。以上の結果から,単純合成培地でウシ胚を発生させることが可能であり,さらに血清,成長因子の添加は発生率の向上に有効であった。
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