1997 年 14 巻 1 号 p. 84-94
ウシの未成熟卵子および体外成熟した卵子を凍結・融解した場合の生存性ならびに体外受精後の胚の発育状況について比較検討を行った.その結果,体外である程度成熟させた卵子を凍結・融解した場合に,胚が受ける傷害の程度が比較的に少ないことが確認された.一方,凍結・融解処理をした卵子を電子顕微鏡(TEM)で観察したところ,卵細胞の微細構造が著しく変化し,致命的傷害を受けていることが明らかとなった.この場合,未成熟卵子よりも体外である程度成熟させた卵子の方が微細構造の変化が少ないことも証明され,上記体外発育胚の成績を裏付ける結果が得られた.
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