Journal of Mammalian Ova Research
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m199 FCSを用いたラット卵子と卵管細胞との共培養
辻井 弘忠
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1998 年 15 巻 1 号 p. 17-21

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抄録
本実験は,ラット初期胚の発達に及ぼす4つの異なった体細胞の影響を調べた.卵子はWistar-Imamichiラットより採卵した.ラット4および8細胞期卵子と顆粒層,卵管,子宮,腎臓の各細胞の単層との共培養を行った.培養液はTCM-199に10%仔ウシ血清,乳酸とピルビン酸を加えたm199FCSを用いた.8細胞期から桑実胚および胚盤胞への発達は,顆粒層,卵管,子宮細胞との共培養で各々98.6,95.6,94.1%とm199FCSのみ,腎細胞の77.6,73.7%より有意に発達した.同様に4細胞からの発達は,顆粒層,卵管,子宮,腎各細胞,およびm199FCSのみは,各々32.0,30.7,29.3,0.7,2.7%であった.8細胞期から脱出胚盤胞への発達は卵管,子宮細胞ならびにコンディション液で各々21.2,19.0,2.1%であった.卵管および子宮細胞との共培養は,より卓越していることが明らかになった.184個の1細胞期の卵子と卵管細胞との共培養で,44個の桑実胚,胚盤胞に発達した.
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© 1998 日本卵子学会
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