Journal of Mammalian Ova Research
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ラット卵子と子宮上皮細胞との共培養に及ぼすエストラジオール-17βとプロジェステロンの影響
辻井 弘忠
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1998 年 15 巻 1 号 p. 22-26

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抄録

本実験は,ラット胚盤胞の発達に及ぼすエストラジオール-17β(E2)とプロジェステロン(P4)の影響を調べた.ラット8細胞期卵子とラット子宮上皮(UE)細胞との5日間共培養下にE2およびまたはP4を添加した.卵子はWistar-Imamichiラットから採卵した.UE細胞は採卵と同時に,m199FCS液で洗浄後,4穴培養皿で培養した.UE細胞が70~80%単層に成長後,卵子と共培養に供した.卵子は採卵,選抜後,4つの濃度のステロイド下でランダムに培養した.卵子の観察は24時間毎に行った.脱出胚盤胞ならびに透明帯脱出後の胚盤胞は,E2濃度3.5×10-5,10-4 M,とP4濃度3.5×10-4,10-5,10-6 Mで有意に高まった(p<0.05).E2(3.5×10-5 M)とP4(3.5×10-6,10 -5,10-4 M)との組み合わせ透明帯脱出後の胚盤胞が高まった(p<0.05).これらの結果から,ラット卵子と子宮上皮細胞との共培養において,卵巣ホルモンが胚盤胞形成後の発育に影響を及ぼしていることが判った.

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© 1998 日本卵子学会
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