1998 年 15 巻 3 号 p. 161-166
ブタの卵巣から直径約100 μmの卵母細胞を含む直径0.5~1.0 mmの初期胞状卵胞を採取した.初期胞状卵胞をそのまま,初期胞状卵胞から取り出した卵母細胞-卵丘細胞-顆粒膜細胞複合体(OCG)および卵母細胞-卵丘細胞複合体(OC)をそれぞれコラーゲンゲルに包埋して8日間培養した.培養後に回収された卵母細胞では直径の増加は認められなかったが,卵胞,OCGおよびOC中のそれぞれ7%,53%および47%の卵母細胞は正常な形態を維持していた.培養前の卵母細胞のクロマチンは細い繊維状あるいはやや太い糸状で卵核胞内全体に広がっていた.一方,培養後の卵胞,OCGおよびOC中の0%,16%および12%の卵母細胞はGVI~MI期にあり,2%,21%および10%は雌性前核を形成していた.これらの結果は,OCGおよびOC培養法では8日の培養期間を通して37%および21%の卵母細胞は生存し続け,減数分裂を進行させることを示している.
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