Journal of Mammalian Ova Research
Online ISSN : 1347-5878
Print ISSN : 1341-7738
ISSN-L : 1341-7738
Originals
全自動核移植システムの開発
塚田 修大工藤 謙一ブディマン ミシェル山本 晃生樋口 俊郎小林 護佐藤 嘉兵大石 勝昭飯田 克彦
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 18 巻 3 号 p. 106-109

詳細
抄録
我々は,全自動核移植システムの要素技術として,核移植作業,その中でも特に脱核作業の際に必要となる卵細胞の回転操作を自動化する機構を開発した.この機構は微小物体の操作に優れている静電気力を利用している.静電気力による現象(electrorotation,dielectrophoresis)を起こすことによって,マウス卵細胞を約60deg/sの速度で回転させることができ,また回転方向を反転させることも可能であった.この操作は通常の培養液中(HTF,CZB)で行うことが出来る.また,静電気力による回転が卵細胞の受精能·発生能に与える影響を確認するため,静電気力によって回転させた卵細胞に対してIVFと核移植を行った.その結果,静電気力で回転させた卵細胞の受精能·発生能は通常の卵細胞と同様であった.したがって,静電気力による回転は卵細胞の受精能·発生能に影響を与えないと言える.
著者関連情報

この記事は最新の被引用情報を取得できません。

© 2001 日本卵子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top