抄録
DNA塩基配列中のシトシン残基のメチル化と脱メチル化は,ヒストンのアセチル化やクロマチン構造の変化とともに,エピジェネティックな遺伝子発現制御機構の一つとして注目を集めている.シトシン残基のメチル化を検出する方法としては,5-メチル化シトシン特異抗体を用いた免疫染色によって視覚的にDNAのメチル化を検出する方法や,bisulfite-sequencing法やMethylation-sensitive-restriction enzyme(MSRE)-PCR法など,メチル化シトシンを塩基配列レベルで検出する方法がある.今回は,マウス初期胚から抽出したゲノムDNAを対象に,標的とする塩基配列中のすべてのメチル化シトシンの検出する実験方法について紹介する.