Journal of Mammalian Ova Research
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原著
Sperm Chromatin Structure Assay(SCSA)とヒト胚盤胞形成率の相関
高山 智子片寄 治男熊耳 敦子菅沼 亮太林 章太郎小宮 ひろみ佐藤 章
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2005 年 22 巻 4 号 p. 236-240

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抄録
ヒトではICSIは通常IVFより胚盤胞形成率が低いことが広く指摘されている.この原因として注入精子核のクロマチン構造に注目し検討した.対象は2004年1月から10月までの期間のIVF21例,ICSI22例である.あらかじめ同意を得て回収された余剰の原精液洗浄精子をN-ethylmaleimide(NEM)と反応させ-80℃で凍結保存した.測定時に検体を解凍して強酸と反応させ,acridine orange(AO)液で染色した.flow cytometry(FACScan:BECTON DICKINSON)を用いて測定し,Cells outside the main population(COMP;%)と胚盤胞形成率との関係について検討した.この結果,ICSIにおけるCOMPと胚盤胞形成率との間に正の相関を認めた(r=0.477,p=0.025,n=22).以上より,ICSIでは核内disulfide結合(S-S結合)の少ない精子を有する症例ほど,胚盤胞形成率が有意に良好であることが指摘された.これは注入される精子核のジスルフィド結合の多寡が卵内での前核形成過程のdyssynchronyを生じ,以後の胚発生にも影響を及ぼす可能性も示唆した.
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© 2005 日本卵子学会
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