2009 年 26 巻 4 号 p. 183-188
ヒトおよびマウスを含む有胎盤哺乳類では,卵子および精子間のDNAメチル化というエピジェネティックな修飾の相違によって,母親由来ゲノムおよび父親由来ゲノムの決定的な機能差が生じる.この現象はゲノムインプリンティングと呼ばれており,エピジェネティックな修飾によってアレルの由来する親の性に特異的な片親性遺伝子発現を示す.片親性発現する遺伝子はインプリント遺伝子と呼ばれており,その大多数が雌性生殖細胞形成過程を通過することによってDNAメチル化インプリントを獲得する.本稿では,卵子形成過程におけるゲノムインプリンティングについて概説する.
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