Journal of Mammalian Ova Research
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総説(特集:最近の生殖医療のトピックス)
ARTの多胎妊娠予防における当院の歩み
塩谷 雅英苔口 昭次松本 由紀子水澤 友利山田 聡緒方 誠司岡本 恵理緒方 洋美神野 素子水田 真平古橋 孝祐片岡 信彦
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キーワード: 生殖補助医療, ART, SET, 多胎妊娠, SEET
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2011 年 28 巻 4 号 p. 159-167

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抄録

多胎妊娠は ART の望ましく無い結果の一つである.多胎妊娠を減少させる効果的な方法は,移植胚数を制限することであるが,妊娠率が低下するならば患者にとっては受け入れがたいものとなる.当院では2006年より多胎妊娠予防に取り組んできた.その結果2005年は26.4%あった多胎妊娠率は減少し,ここ数年2?5%で推移している.平均胚移植数は,1.9個から1.2個に減少したが,妊娠率の低下はあまり無かった.そこでこれまでの治療内容を解析することにより,移植胚数を制限しつつ妊娠率を維持できた要因として以下の4点をあげることができる.第1は初期胚移植よりも胚盤胞移植を選択したこと,第2は新鮮胚移植よりも凍結胚移植を積極的に実施したこと,第3はSETの適応症例を厳密に選択したこと,第4は,胚盤胞を1個移植する際には,SEETを第1選択としてきたことである.本稿では,この4つの点を踏まえて,当院が多胎妊娠を予防するために歩んできた過程について報告する.

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© 2011 日本卵子学会
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