Journal of Mammalian Ova Research
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総説(特集:最近の生殖医療のトピックス)
Dynamic Culture Systemによる受精卵発育促進とその機構解明
松浦 宏治成瀬 恵治
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2011 年 28 巻 4 号 p. 174-179

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抄録

高品質受精卵を得ることを目的とした最近の動的体外培養システム(Dynamic culture system: DCS)を用いた受精卵培養とその効果について解説する.培地や受精卵を移動させることの可能なDCSを用いた系の培養結果から,複数の生物種で物質拡散速度を上昇させることが胚発育を促進するための一つの手段であると考えられる.効果的な拡散が起こっているか否かは,体外培養時の培地内pHのその場評価によって知見が得られると思われる.さらに,DCSでは受精卵に負荷される機械的刺激による発育促進効果も存在すると推測される.その評価には負荷された機械的刺激量と細胞内情報伝達機構を同時に定量化すると良い.最後に,これらの知見および技術をヒト生殖補助医療に適用する際の注意点についても簡単に述べる.

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© 2011 日本卵子学会
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